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徒然漫画語り・其の五十四―池田理代子『パラノイア』

月刊LaLaから「黒LaLa」てな増刊が出まして、思わず買っちゃいました、ワタクシ。

スタイリッシュなビターな一品から、泥臭い昔懐かしのホラーまで、色々詰まってて良いと思います。個人的にはもっとドス黒くて救いようのない内容でも良かったと思いますが。でも長らく少女漫画誌から遠ざかっていた私(多い時は月に5誌くらい購読してた…)に手を伸ばさせたそのコンセプトは成功だと思います。面白いです。私の趣味的に「白LaLa」は買わない率が高いですが…。

で。それでなんで池田理代子さん(ex.『ベルサイユのばら』)の『パラノイア』なのか。今までに私が読んだ漫画の中でいちばんブラックだった逸品は何だろう…と考えて思い当ったのがこの漫画だったからです。本当にこれはねぇ…なんだったんだろーね。この漫画、何なんだろう…。

パラノイアとは……

偏執病(へんしゅうびょう、偏執症パラノイア、英: paranoia)は、精神病の一種で、体系だった妄想を抱くものを指す。自らを特殊な人間であると信じたり、隣人に攻撃を受けている、などといった異常な妄想に囚われるが、強い妄想を抱いている、という点以外では人格や職業能力面において常人と変わらない点が特徴。

これが日常生活や仕事の遂行に支障をきたすレベルにまで達したものが、妄想性人格障害(paranoid personality disorder)とされる。(ウィキペディアより。いつもお世話様です)

……パラノイア、です。

もうこのまんまの漫画といって差し支えないです。妄執と情念が淡々と人の生き死にを狂わせて決定していく。その物語はあまりにも救いが無い上に、あまりにも無感動。そんな狂気のはびこる日常をそのまま何の味付けもせずに皿の上に置いてさぁ召し上がれ☆ というのがこの漫画です。心してどうぞヽ(´▽`)/

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コメント

はじめまして。検索でたまたまこの記事を見つけ興味深く読ませていただきました。
「パラノイア」、確か発表から30年近く経過しているはずですが、これは本当に今読んでも衝撃的というか真の意味で心理的ホラーです。
発表当時にもかなりの物議を読んだと記憶しています。
華やかな時代劇ロマンス物作家のイメージが強い池田理代子さんですが、
実は全く何の救いも無い荒涼とした読後感というか非常に後味の悪い短編中篇の名手でもあります。
考えてみたらあのベルばらだってかなり後味は悪いし(笑)
池田さんの短編物で精神科系の話では「クロディーヌ・・・!」が強烈です。
「クロディーヌ・・・!」も30年以上前の作品ですが性同一性障害(女性の肉体を持った男性)の悲劇を正面から取り上げた名作です。
(円熟期の作画もとても美しい)
ともかく池田理代子さんは宝塚目線とは違うもっと別な角度から再検討されてほしい劇画家さんです。

長文失礼しました。

投稿: 昔少女 | 2013年12月26日 (木) 01時02分

>昔少女さん、コメントありがとうございます!

私も初めてこの作品を読んだ時は、ただただ呆然としてしまいました。“物語が始まって、ただ終わってしまった”という印象で、とにかく衝撃的でしたね…。

『クロディーヌ・・・!』は未読です、そんな内容だったんですね。今度、是非読んでみようと思います。ありがとうございます!

『ベルサイユのばら』も、反対する編集部を説き伏せて連載に漕ぎつけたというからすごいですよね…! 今となっては古典的な少女漫画家として語られますが、やはり挑戦的で革新的な方なんでしょうね。

投稿: あさみ | 2013年12月27日 (金) 18時42分

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